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パルプモールドとは?特徴や原料・製法を解説

パルプモールド(Molded Pulp)とは、紙の原料であるパルプを立体的に成形した包装材です。

紙箱や段ボール箱のように折って組み立てるのではなく、金型を使って、用途に合わせた形状に成形します。

特に商品企画やパッケージ開発の現場では、単なる緩衝材としてだけでなく、商品価値を高めるパッケージとしても採用が広がっており、卵パックや工業用緩衝材に加え、開封時の印象を含めたブランド体験を演出する包装材としても注目されています。

本記事では、紙素材のパッケージ開発を手掛ける王子グループが、パルプモールドの特徴や製法の違いを解説します。

パルプモールドの特徴(メリット)

環境配慮型パッケージへの移行に対応

近年、企業には包装材の環境負荷低減が求められています。

国内では2022年4月にプラスチック資源循環促進法(プラ新法)が施行。欧州では、PPWR(包装・包装廃棄物規則)が、2025年2月に発効、2026年8月から運用が開始されました。

これらにより、包装の削減やリサイクル性向上の要求が強くなってきています。

▶PPWR(包装・包装廃棄物規則)について

パルプモールドは、植物由来のパルプや古紙を原料とする包装材です。プラスチックトレーや発泡スチロールなど、石油由来の包装材の代替として活用でき、環境配慮型パッケージへの移行を検討する企業から注目を集めています。

立体成形による保護性とデザイン性

パルプモールドは、製品の形状に合わせて立体的に成形できる包装材です。

製品ごとに適した形状を設計できるため、保管や輸送時の破損リスクを低減しながら、ブランドイメージやコンセプトに合わせたパッケージデザインを実現できます。

また、設計によっては複数の包装材を集約したり、人手による作業を減らしたりすることができ、包装工程の簡素化や使用資材の削減につながる場合もあります。

必要な構造は、製品の重量や輸送・保管条件などによって異なります。リブ、段差、支点、空間などを組み合わせ、製品と使用環境に適した形状に設計します。

パルプモールドの注意点(デメリット)

①コスト

金型製作が必要なため、一般的に初期費用は高くなります。

一方で、パルプモールドは環境配慮や高級感を訴求できるパッケージとして製品の付加価値向上に貢献し、製品単価の向上に繋がる場合があります。また、生産数量が増えるほど金型費を分散できるため、大ロットでの採用ではコストメリットを得やすくなります。

王子グループでは、ご要望に合わせた最適な素材・形状をご提案しています。

お気軽にご相談ください。

②印刷適性

パルプモールドは立体成形品のため、通常の紙器と比べて印刷に制限があります。

特に曲面や凹凸のある部分への印刷は難易度が高くなりますが、デジタル印刷やパッド印刷など、条件に応じた対応が可能です。

また、印刷に代わりエンボス・デボスによる凹凸表現を活用することで、パルプモールドならではの高級感やデザイン性の演出もできます。

③耐水性・耐油性

紙素材のため、耐水性・耐油性は低くなります。

しかし、耐水・耐油処理やラミネート加工により、用途に応じた性能を付与することが可能です。

なお、後加工の内容によってはリサイクル性に影響する場合があるため、注意が必要です。

パルプモールドの原料(古紙パルプとバージンパルプ)

紙素材のため、耐水性・耐油性は低くなります。

しかし、耐水・耐油処理やラミネート加工により、用途に応じた性能を付与することが可能です。

なお、後加工の内容によってはリサイクル性に影響する場合があるため、注意が必要です。

①古紙パルプ

古紙パルプは、新聞、段ボール、紙器などの古紙から作られます。

原料由来の色や繊維感が表れやすく、緩衝材や工業用途などで広く使われています。再生材の使用が外観からも伝わりやすく、紙らしい素材感をデザインの一部として生かすこともできます。

②バージンパルプ

バージンパルプは、木材やバガス(サトウキビ)などの植物から新たに作られるパルプです。

白さや色合いを均一に表現しやすく、着色によるブランドカラーの再現にも適しています。

また、滑らかな表面仕上げが可能なため、高級感や上質感を重視するパッケージに選ばれています。

なお、王子グループのパルプモールドでは、現在、木質由来のバージンパルプを100%使用しています。

原料は、仕上がりの見た目だけでなく、必要な強度や成形のしやすさ、用途などを踏まえて選定されます。

パルプモールドの製法
(ドライモールドとウェットプレスモールド)

パルプモールドの代表的な製法には、生産性に優れたドライモールドと、成形性や表面の平滑性に優れたウェットプレスモールドがあります。

どちらも、パルプを水に分散させて金型に吸着し、立体的な形状に成形する点は共通していますが、成形後の乾燥方法やプレス工程が異なるため、厚み・表面品質・寸法精度・保護性能・デザイン性などに違いが生まれます。

パルプモールドを検討する際は、求める機能や外観に合った製法を選ぶことが大切です。

①ドライモールド

ドライモールドの製造工程

ドライモールドは、金網状の金型にパルプ繊維を吸着させた後、成形品を型から取り外し、乾燥炉などで乾燥させる製法です。乾燥後、必要に応じてプレスやトリミングを行います。

このように、成形と乾燥が別工程になっていることが、ウェットプレスモールドとの大きな違いです。

ドライモールドの特徴

  • パルプ繊維の質感を活かした、自然な紙の風合いが特徴
  • 一般的に1.5mm~5mm以上の厚みで成形しやすく、高い緩衝性を確保できる
  • ウェットプレスモールドと比較すると寸法精度は低く、精密な嵌合や細かな意匠表現には不向き
  • 生産速度が速く、比較的コストを抑えられる

②ウェットプレスモールド

王子グループで取り扱うパルプモールドは、主にウェットプレスモールドです。
ウェットプレスモールドは、滑らかな表面や立体的な造形、高い寸法精度を実現しやすく、外観品質やデザイン性が重視されるパッケージに適した製法です。

ウェットプレスモールドの製造工程

ウェットプレスモールドは、成形工程まではドライモールドと同様ですが、成形直後の水分を含んだ状態で雄型と雌型を合わせ、熱と圧力を加えて、乾燥とプレスを同時に行う製法です。

形状を整えながら乾燥・プレスを行うため、ドライモールドとは違い、表面の滑らかさや、輪郭・細部をシャープに表現できる点が特徴です。

ウェットプレスモールドの特徴

  • 滑らかな表面品質と高いデザイン性を実現できる
  • 薄肉成形ながら、構造設計により必要な保護性能を確保できる
  • 寸法精度が高く、製品にフィットした設計が可能
  • ドライモールドと比較するとコストは高い

パッケージの構成は、パルプモールドを内装トレーとして、外側を紙器箱や貼り箱と組み合わせる方法、外装を含めて全体をパルプモールドで構成する方法もあります。

ドライモールドとウェットプレスモールドの比較

ドライモールドとウエットプレスモールドの比較表

よくある質問

Q.パルプモールドはどのようなものに採用されていますか?

A.スマートフォンのインナートレイやドリンクカップやリッド、持ち帰り容器などで採用されています。

Q.パルプモールドはリサイクルできますか?

A.パルプモールドは紙を主原料としているため、多くの場合、リサイクル可能です。

 なお、分別方法や回収可否は、製品仕様や地域の回収ルールによって異なります。

Q.パルプモールドの導入にはどのくらい期間がかかりますか?

A.設計~試作~評価までに約1.5カ月、その後量産まで合計で約2~3カ月が目安です。
 実際の期間は、製品仕様や要件によって異なりますので、お問い合わせください。

その他、よくある質問については、以下リンク先をご確認ください。

▶よくある質問

王子グループのパルプモールドの特徴

王子グループでは、木質由来のバージンパルプを100%使用したウェットプレスモールドを取り扱っています。

滑らかな表面やシャープな立体造形を活かし、化粧品、ギフト、小型家電、ガジェットなど、外観品質やデザイン性が重視されるパッケージへの活用をご提案しています。

企画・デザインから製造、リサイクルまで、紙とパッケージに関する幅広い知見を活かし、お客様の製品や用途に応じたパッケージ開発を支援します。

具体的な活用イメージは、以下の用途例をご覧ください。

▶ 王子グループのパルプモールド用途例

仕様のご相談・お問い合わせはこちら

パルプモールドの設計や仕様は、製品の形状や用途によって異なります。

「まずは実現可能か確認したい」

「概算費用を知りたい」

「既存のプラスチックトレーから置き換えられるか相談したい」

など、ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。